文化財に親しむ秋

京都古文化保存協会様が毎年実施している「京都非公開文化財特別公開」のメディア向けイベントにご招待いただきましたので、行ってきました。

平成30年度 第54回京都非公開文化財特別公開(PDF)
平成30年度 第54回京都非公開文化財特別公開 開催要項(PDF)

「京都非公開文化財特別公開」は、春と秋の年2回開催されている事業。京都の寺社仏閣に保管されている文化財を公開することで、文化財に関心をもってもらうことを目的にしています。昭和40年にはじまり、今回で通算74回目の開催という歴史ある事業。今回は京都市内16か所、八幡市内2か所の計18か所が公開されます。

メディア向けのイベントは西福寺にて行われました。

西福寺といえば、有名なのが檀林皇后九相図(と知ったようなことを書いていますが、当日勉強しました)。メディア向けイベントではレプリカが公開されていましたが、期間中は本物が展示されるそうです。

九相図は、屋外に打ち捨てられた死体が朽ちていく様子を描いている仏教絵画で、諸行無常の理を表したものと言われています。どんなに高貴なもの、美しいものも最後は土に還ってしまうという無常感。文化財自体も、何千年、何万年というスパンで考えると、いずれは朽ち果てて行ってしまうものかもしれません。実際に、これまでの歴史の中で失われていった文化財はたくさんあると思います。そんな、ある意味儚いものが、何百年という時、様々な人や場所を経て、2018年の今自分の目の前にあるのだと思うと、不思議な気持ちになりました。

f:id:chris4403:20181026151347j:plain
檀林皇后の九相図

九相図に加えて、今回新たに修復された文化財2点も公開されます。「南瞻部洲万国掌菓之図」と海北友松筆「布袋図」です。


「南瞻部洲万国掌菓之図」は、仏教の世界観で描かれた世界地図で、アジアを中心に地球がうちわ型に描かれています。
図は間近で見ることができ、地図に書かれている文字や地形を見て楽しむことができました。

f:id:chris4403:20181026151036j:plain
南瞻部洲万国掌菓之図

f:id:chris4403:20181026151309j:plain:h400
海北友松筆「布袋図」


開催期間は、11月1日から11日まで。会場ではボランティアの大学生の方が、文化財の説明をしてくださるということですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


※イベント期間中は写真撮影禁止ですが、メディア向けのイベント当日のみ撮影を許可していただきました。