新CTOの就任によせて

執行役員兼CTOのid:stanakaこと田中慎司の退任を発表しました。後任のCTOとして指名したのはid:motemenこと大坪弘尚です。

両名について私の思い出話を少しだけ。

id:stanakaとの思い出といえば、ぱっと思いつくのはMackerelについてです。
Mackerelは、数年前の社内のビジネスプランコンテストにid:stanakaが出したプランでした。そのときの審査方法は、応募があったプランの中から社内の部長や役員・プロデューサーがひとつずつ推しの案をピックアップし、メンターとなって事業計画部分を作成して二次審査に挑むというものでした。当時プロデューサーだった私は、「社内のインフラを管理しているMackerelを社外の人も使えるようにして、はてな流のインフラ管理を外部に輸出していく」というアイデアに感銘を受け、担当者となって一次審査を通過させました。
その後、二次審査も通過し、検証フェーズも終わり実際にプロジェクトを立ち上げる際には、自分が関わっていたプロジェクトからこれぞというエンジニアをアサインしました。実際に私がMackerelチームに深く関わることはありませんでしたが、プロジェクトの立ち上がりについては、正直言うと他のプロジェクトよりも注視していたかもしれません。気持ちとしてはメンバーと一緒にサービスを立ち上げてきたというつもりでいます。

id:stanakaから「はてなを離れて、新しいことに挑戦したい」と言われたときは、正直驚きました。が、私自身、30歳のときに前職の会社を離れて、はてなに転職しているので、何かの節目に自分を見つめなおし、挑戦できていないことに挑戦したくなる気持ちもまた分かるのでした。

後任をid:motemenにすることには、id:stanakaそして執行役員兼サービス開発本部長でもあるid:onishiと意見が一致しました。

新しいCTOとなるid:motemenとは、私がはてなに入社したときからの付き合いになります。一緒にがっつりと仕事をしたのは、最初に配属された大きなプロジェクトである「うごメモはてな」だけなのですが、そのときの記憶(思い出や熱量)が今でも大きく、私のはてな社での仕事に多大な影響を与えていると思います。私よりも若いのに、物怖じもせず大規模ウェブサービスのコードをバリバリと書く彼に、尊敬の念を抱いていました(もちろん今でも)。

その後id:motemenは、社内の様々なプロジェクトで活躍し、前述のMackerelにも一時期参加して開発を推進してくれていました。Perlスペシャリスト(と勝手に言ってみますが)でありながら、Mackerelでも採用しているGo言語でgore、ghqといった注目度の高いオープンソースプロダクトを手がけています。

今回、CTOという役割をお願いすることになりましたが、ひとことにCTOと言っても、100人CTOがいたら100通りのCTO像があるのかなと思います。

id:motemenには、はてなバリューズにもある「技術が好き」というキーワードを体現する最たるエンジニアであり、社内の技術者集団から存在をより身近に感じられつつもその背中を追いかけられる、そして本人特有のバランス感覚を発揮しつつも、ときに大胆な決断・判断ができるCTOになって欲しいなと思っています。

おそらく本人は不安なのではないかと思います。2年前、私が社長のバトンを受け渡されたときのことを思い出しました。この2年間、スタッフのみなさんが私のことを支えてくれたように、新しいCTOもまた、スタッフで支え助け合いながら組織と一緒に成長していって欲しいと思います。